「大きくなったら何になる?」
子どものころ、誰もが思い悩んだモンダイだと思うが、それに答えたのがこの本『わたしが選んだ職業』──小学校高学年の諸君に向けたプロのメッセージ集である。
収録した職業は「パン屋さん」から「図書館司書」まで61職種。子どもたちに人気の「プロ野球選手」「プロサッカー選手」「国際線スチュワーデス」「声優」なども含まれている。
この仕事は、すごく楽しかった印象が残っている。
新宿・中村屋4階「ラコンテ」のバーで、ビールグラス片手にワイワイやりながら、編集会議やら遅筆言い訳会議をやった時間のほうが執筆時間より長かったからだ。なにしろ、気鋭の作家、ライター8名が8年間かけて共同執筆した労作だ。
編集委員会代表が井上荒野。過激にして清明な文体と妖しいオーラを発射する文壇期待の小説家である。それに、童話作家にして宇宙人である寮美千子。万年時計の短針のようにゆるりとした人生の時間を刻みつつ、速射砲のように16ビートでおしゃべりするタフな女性だ。
かくいう村瀬春樹とゆみこ・ながい・むらせはなんだかこの時期は忙しくて、友人のライター杉本薫と寺島みどりを巻き込んで担当ページを分担してもらった。カオちゃん、ミドちゃん、その節はありがとう。
この本のおかげで、年に数千円ずつ印税が振り込まれてくる。ロングセラーになっているのだ。
「大きくなったら何になる?」
子どもだけじゃない。五十路を過ぎて、もう一度自問自答してみるのも悪くない。大人が読んでも面白くタメになる1冊だと思っている。
村瀬 春樹